11月19日、長谷能舞台で開催した第1回「おけの会」。
能楽師安田登さんの講演と古事記朗唱、それに合わせた野口あきさんの舞、新井光子のチェロ演奏という素晴らしい演出で初回を終える事が出来ました。
安田登さんは、能楽師であられながら日本の神話、さらには世界で最初に「文字」が生まれたシュメール文明などの世界の神話にも大変お詳しくていらっしゃる。お話が本当に面白くて、お声も色っぽく(笑)、ずーーーーーっとお話を聞いていたくなる魅力の持ち主でありました!
その安田さんによる「天の岩戸開き」解説。超ざっくりまとめるとこんな感じ。
天照大神が岩戸にこもる
↓
アマノウヅメノミコトが舞い踊る=八百万の神々が笑い喜ぶ
↓
【変化の一点】が起こる←←ココ大事。
↓
神々が、「あはれ、あなおもしろ、あなたのし、あなさやけ、『おけ!』」と叫ぶ
古事記では「笑う」は「咲う(わらう)」と書かれてあり、「笑い」は「割る」、「咲く」は「割く」に通じ、暗から明に移る変化の一点を「花」と呼ぶとのこと。
(花は「クサカンムリ」に「化」と書くのもその意味)
「笑い」と「変化」は共時的なんですね!
安田さんは、「変化」について世阿弥の「初心忘るべからず」を引用され、その真意を「時々のタイミングで自分を変化させよ、人はどんなに年をとっても成長できるのだから」と説いてくださいました。
初心の「初」は「衣編に刀」と書くように、着物を作るためには布を裁ち切らないとならない。まっさらな布にハサミを入れる勇気と覚悟を持つ様に、過去の自分をどんどん断ち切って変化せよ、と。
変化の一点(花)と笑いと初心。
「おけの会」の「おけ」は、神々が叫んだ言葉の最後にある「おけ」から命名したものですが、自分らしい「変化の一点」を、「笑い」と「初心」で起こしていけたらいいなぁと改めて思います。