ほんとに驚きなんですが、私がモデルとなって作られた”刺しゅうブローチ”があるんです。
「フェルトとビーズで作る刺しゅうブローチ」という手芸本に掲載されています。
著者の松尾容巳子ちゃんは、10年以上も前に働いていた職場の同僚。私がその職場を去った後、独立してこの道に進んだそうですが、長らく連絡は途絶えたままだったのが、つい先日、久しぶりに連絡をもらいました。そして、出版記念を兼ねた個展をしていること、その手芸の著者本には、私をモデルとした作品もあることを教えてもらったんです。
本当に本当に驚きました。
ゆみこちゃん曰く、
ここのさんのことが大好きだった。ここのさんがモデルのブローチを作りたかった
と。
彼女の記憶の中に私がそんな面影として残っていたなんてと、改めて驚きました。
というのも、当時の自分を振り返ると、その職場に慣れないまま、どうやったら自分の価値が出せるかとにかく必死で・・・。
あのころの記憶は、私にはまるで「黒歴史」。何をやっても上司には認めてもらえない。それどころかダメ出しばかり。すごく苦しくて。
自分が楽しんで出来ることがお客さまの喜びにもつながると信じて頑張ってても、それだけでは認めてもらえず、つらいだけの毎日になっていく、そんな日々だった。
最後は逃げるようにして辞めながら、自分の甘さを恥じ、情けなさと申し訳なさで、職場のみんなには顔見せできない気持ちでいっぱいだったのに。
10年以上も経った今、彼女には私がそのような存在として残っていたとは。。。
闇のようだった当時の思い出に大きな光が灯ったようです。
今回は、ホビーショーに作品が飾られていると言うので、ビックサイトで涙の再会を果たすことができました。
再会した瞬間は、駆け寄るとか笑い合うではなく、お互いを見ながらじわじわと涙が溢れ出る、そんな感じの時間が流れていたように思います。
この世界は、本当に不思議ですよね。
不思議なことは、大体が”目に見えない”ものだから、いつどこでどんな風に”目に見える”形となって現れるか、見事にわからない。でも、本当は全部が見事に繋がっているから、何かはどこかで起こっていて、それが面白さなんですよね。
全国のチクチクが好きなみなさん、もし良かったらゆみこちゃんの刺しゅう本を手に取ってみてください。
もれなく「ここの」がついてきますw
「フェルトとビーズで作る 刺しゅうブローチ 」松尾容巳子