11月24日は落語なにナンデのスピンオフ企画「喜六な落語勉強会」2回目。
この企画は、かた苦しくなく落語を体感してみることをメインテーマに、シリーズ3回を通じて落語の一席のうち10分程度を演じられるようになれたらいいな、というもの。
まずは前回学んだことの復習と宿題の確認から。
宿題とは、各自一つのネタを選びつつ、そのネタを書き起こすことと、そのネタを100字以内に要約すること。
でね、この要約が案外難しかったんですよ。
そもそも、落語には起承転結がないので「あらすじ」としてまとめにくいんです。
弥太郎さんがおっしゃるには、その要約を聞いて「聞いてみたい!」と思わせることが大事とのことで。
なるほど、落語って、相手をこっち側にとことん引き込んでいくことが大事なんですね。
そしてそのためには、自分がそのネタのどこに惹かれたのかがしっかりわかっていることも重要なポイントかと思いました。
お稽古は一人ずつ高座に上がってみんなの前で話す「サーキットトレーニング」方式。
話すことは、自己紹介と今日の気分、自分のネタのあらすじ(宿題)や前回習ったことなど。たったこれだけのことなんですが、やっぱり高座の上って緊張するんですよ。
うどんをすする仕草をしようとしてお扇子を持っても、右と左が混乱して慌てるなど、高座に座ると勝手が狂っちゃうもので。
とは言え、とにかく練習あるのみ。
慣れないことには何も始まらないので、何度も繰り返す。
でも、そのうちお出汁とうどんをすする時のわずかな音の違いが感じられてきたりして楽しくなってきました。
まぁ、ここまでは前回のおさらいのようなもので。
今回のメインは、落語を通して自分の感情表現のクセを知ること。
そのために、それぞれが書き起こしたネタを「喜怒哀楽」のいずれかに振り分け、その「感情」で読んでみました。
が、これもまた難しいものでしたねぇ。。。
普段の自分がどのように喜怒哀楽を表現しているか、これを再現しようとしても実はよくわからないものなんですね。
ちなみに私は「まめだ」という、子ダヌキが出てくる少し悲しいネタを選んだのですが。
最後の悲しいシーンを演じてみたところ、自分では精一杯哀しみを表現しているつもりでも声のトーンが高かったために、その感情がイマイチ伝わりにくくて。
弥太郎さんから、「喜び」と「楽しさ」、「怒り」と「悲しみ」をマトリックスに分けて、声の高低や話す速さの調整で変化をつける方法を教えていただいたので、語りの声を低めに落として速度もゆっくりさせてみたんですよ。
するとびっくり!
じんわりモードになりきれなかったヤツ 姿勢もじんわりモードに・・・
なんともまぁ哀しい感じになるではないですか!!
セリフはまったく同じなのに、なんなんだこの違いは!!!
人と人のコミュニケーションでは、言語情報よりも聴覚・視覚情報(非言語コミュニケーション)の方が圧倒的な影響を及ぼすというのはよく言われることです。
私もそれは頭では十分理解していたつもりでしたが、頭での理解と体感するとでは大違いですね。
同じ言葉でも、喜怒哀楽の感情の乗せ方を変えるだけで全く違うものになってしまうんですね。
どれだけ非言語コミュニケーションが大事なのかについて体感しました。
伝えたいことって、言葉と表情、声のトーンがぴったり揃った時にまっすぐそのまま伝わるんですね。
この大切なことについて改めて考え直しました。
これからは、ドラマや映画を見ながらも、役者さんの言葉のトーンやセリフの言い方に注目してしまいそうです。
さて、これから2月の最終回までは、途中でオンライン稽古を挟みながらも、基本は個別練習を進めることとなります。
自分が無意識に発している言葉が表現する感情に意識を向けること。
もしその言葉を他の感情(喜怒哀楽パターン)に置き変えて言ってみたらどう響くか。
そんな遊びを日常生活に取り入れることがキーとなりそうです。