10月29日、しまだ大井川マラソン10キロの部に参加してきました。
久しぶりの大会参加、心から楽しかったです。
 
もともと超”文化系”の私が走り始めたのは今から17年前のこと。
子育てが少し落ち着き、少しずつ自分の世界を広げていきたいと考えた時に思いついたのがフルマラソンへのチャレンジでした。
 
いきなりどうしてフルマラソン?と思うかもしれませんが、実はそこからさらに遡ること9年前に、小さなタネが撒かれているんです。
 
つまり今から26年前のこと。
当時、夫のアキラさんは仕事をしながらアメリカンフットボールの実業団選手として「日本一」を目指して日々頑張っていました。
一方の私は、1歳半の長男の子育て真っ最中。
夢を真剣に考える余裕もなく、正直、夫の日本一は到底無理だと思っていました。
それがなんと、本当に日本一になったんです。
本当に素晴らしい話です。
 
が、夢を実現した夫を目の前にして、実は私は真剣に落ち込んだんです。
 
夫は見事に夢を実現し、光り輝いている。
その一方で、私は社会から離れ、子育てだけのゴールが見えない日々…。
 
光強ければ影また暗し。
私は、自分の存在意義が全く見えなくなったんです。
 
そういう私は何をしたか。
なんと、息子がお昼寝しているわずかな時間を使って、毎日20分、走り始めました。
 
運動経験ゼロに等しい私がなぜ走ろうと思ったのか、本当のところ、よくわかりません。
(ただでさえ疲れているんだから、休息すればいいものを…)
 
ただ、わずか20分でも走り続ける中で、自分の身体に変化が感じられるのは喜びでした。
「このまま続けたら、その先には“フルマラソン完走”もあるのかな?」とうっすら心に思ったことをよく覚えています。
しかしほどなく第二子妊娠、ランニング生活はすっかり終わってしまいました。
 
それから9年後。
そう!小さく撒いてあったフルマラソンという夢のタネが、時を経て芽を出すチャンスを得たのです。
(地中のセミより長いよ!)
 
それからはランニングを通じてたくさんの仲間に出会い、想像もしていなかったスポーツの世界が展開して今に至ります。
自分には何もないと絶望したあの時、一番苦しかったのは、誰にも自分の本当の気持ちを理解してもらえなかったことでした。
でも、苦肉の策として始めたランニングが、時を経て蘇り、私の世界をこんなにも広げてくれることになろうとは…。
 

人生は、何がどう展開していくか本当にわからないですね。

つらい体験はつらいだけでは終わらない。
藁をもすがる思いでつかんだものが、後になって大きなチャンスにつながっていく。
そう、人生は思いの外、自分に優しいんです。

久しぶりのマラソン大会。
仲間と共に走り、汗をかき、笑いながら、青空の下で、私はこんなことを心に思いながら寝転がっていたのでした。